企業における税制度

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    資料紹介

    このように、国が環境税の導入を推進している背景には、京都議定書の発効を目前に控えて温暖化ガスの削減目標に苦慮していることが挙げられる。環境税の具体案は詳細検討が進行中であるが一方で、環境税の導入には、長期低迷する景気浮揚の障害になるとの心理的障壁や財政改革の本質的な課題である財源化問題などがある。これらに対して未だ明快な解決策を提示できているとは言えない。しかしながら、上述したような自治体や民間企業の試みは、国民が日常生活を通じて身近で遭遇し認識が広がることに伴って、国民の環境意識を確実に啓発するはずである。バイオリージョン(生活圏)におけるこれらの活動は、自己組織化して国全体に波及し、官民一体となった循環型社会実現への取り組みとして機能することが期待される。このようなポジティブ思考の観点に立ち、環境税を単に旧来型の財源確保施策や増税として捉えるのではなく、地球温暖化対策への投資や新たなビジネスチャンス創出の起爆剤として活用するために、行政(国・自治体)や企業の経営戦略が求められているといえる。そのために企業の環境税に対する取り組みや考え方というのは今後重要になってくるのは言うまでもないだろう。
    このように連結納税制度と、環境税という企業に関する二つの税について見てきたが、企業経営にとって、その利益に課される税金というのは大きな比重を占めている。企業活動にとって不可避な問題である税と企業との関係を、これからも機会があれば違ったアプローチでまた考えてみたいと思う。

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    企業における税制度のあり方についてこれから検討しようと思うが、ここ最近の抜本的な改革というのはやはり「連結納税制度」であろう。商法上の企業再編ツールの整備を追いかけるように、平成13年(2001年)に税法上の企業再編についての大がかりな改正が行われた。そして平成14年度(2002年度)から、企業再編税制についての締めくくりともいうべき連結納税制度が導入された。 
     連結納税制度とは、企業グループ内の各社の損益を合算して法人税をかける制度である。すなわち、黒字企業の利益から赤字企業の損失を差し引いて、課税対象の利益を圧縮することで、グループ全体の税負担を軽くできる制度である。そもそも海外においては、米国では1917年に、フランスでは1966年に連結納税制度が導入されてた。日本企業が海外企業とのグローバル競争に勝ち残るためにも、経済界からはかなり以前から、早期導入を求める声が上がっていた。対象になるのは、日本国内の親会社とその100%子会社で、導入は強制ではなく、企業グループが任意に選択できるが、いったん連結納税を選択した後は継続して適用され、すべての100%子会社が適用対象になるというも...

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