ケアマネジメントは、複数のニーズを抱え、各種サービスを受ける利用者を社会的に支えていくものとして展開されてきた。住み慣れた地域社会で生活を続ける「ノーマライゼーション」理念を実現するための支援方法である。その援助過程は、インテーク→アセスメント→ケース目標の設定とケアプランの作成→ケアプランの実施→モニタリング→再アセスメント→終結といった形で展開されるが、これら過程について以下に説明する。
<インテーク>
相談者から事情を聞く最初の段階で、援助が必要な利用者に対して、援助内容を理解が容易に詳しく説明し、利用者がケアマネジメントを受けるかどうかの了解・契約等を行う。その際、今後多くのプライバシーに係わることに触れるが、それは利用者が望む援助を一緒に考える上で必要不可欠な作業であることや、守秘義務を約束すること等を説明し、一緒にケアマネジメントを進めていくことを利用者に理解・納得してもらう必要がある。なお、その他にケアマネジメントの入口として、ケースの発見等が存在するが、自治会・民生委員等の地域住民が支援を必要とする者を発見した場合に即座に情報を得られる連携体制を確立することなども求められる。
<アセスメント>
利用者の社会生活における諸種の問題点やニーズを評価・査定することである。主として現在の問題状況、身体的・精神的な健康状態、日常生活動作、心理・社会的機能、経済状況、利用者の志気、価値観、及び対人関係のもち方、家族・近隣・友人に関する情報、世帯構成、居住状況、利用者の自助能力やプログラムに対する積極性、現に利用しているサービスやサポート等が含まれる。アセスメントの方法には定型化された質問項目一覧によるものや、定型化されていない面接技法によるもの、また両者の併用等により行われる。ルーティン化すれば、アセスメントは容易となる。しかし、ルーティン化が進んでも、適切な支援を行うためには、利用者を「タイプ別」として把握するのではなく、「個」として理解することが欠かせないことを認識する必要があり、利用者との信頼関係を確立しながらアセスメントを展開していかなければならない。
<ケース目標の設定とケアプランの作成>
ケアプランを「構想する」過程であり、サービス提供者間の共通目標と役割分担を準備することによって、チームアプローチの推進を実行可能にしていかなければならない。
利用者と支員者が対等な立場、あるいは支援員が側面的な立場に立ち利用者や家族の希望を十分踏まえた上で目標設定されなければならない。その際、利用者の潜在的な能力が発揮でき、生活の質を向上させること、自立を促進すること、残存機能を生かすこと、心身機能の向上を目指すこと、社会への参加が行われること等を基本視点として利用者と十分に話し合うことが重要である。設定されたケース目標は、利用者の支援において関係するサービス提供者が、共通した援助目標として共有する部分であり、事業者間での連携を確立する必要がある。また同時に、ケース目標は利用者の身体面や心理面の変化、更には介護者や住環境等の環境面での変化によって変化することも想定される為、一度決まったケース目標は、永遠に固定した目標ではないことも理解しておかなければならない。
ケアプラン作成においては、①生活ニーズを明らかにする。②援助目標を明らかにする。③サービス内容と、どこがサービスを提供するかを明らかにする。④頻度や時間数を明記する。といった段階を経て作成されることになる。その際、存在する各種社会資源の特性を理解し、これらを有効に活用することで利用者の生
ケアマネジメントは、複数のニーズを抱え、各種サービスを受ける利用者を社会的に支えていくものとして展開されてきた。住み慣れた地域社会で生活を続ける「ノーマライゼーション」理念を実現するための支援方法である。その援助過程は、インテーク→アセスメント→ケース目標の設定とケアプランの作成→ケアプランの実施→モニタリング→再アセスメント→終結といった形で展開されるが、これら過程について以下に説明する。
<インテーク>
相談者から事情を聞く最初の段階で、援助が必要な利用者に対して、援助内容を理解が容易に詳しく説明し、利用者がケアマネジメントを受けるかどうかの了解・契約等を行う。その際、今後多くのプライバシーに係わることに触れるが、それは利用者が望む援助を一緒に考える上で必要不可欠な作業であることや、守秘義務を約束すること等を説明し、一緒にケアマネジメントを進めていくことを利用者に理解・納得してもらう必要がある。なお、その他にケアマネジメントの入口として、ケースの発見等が存在するが、自治会・民生委員等の地域住民が支援を必要とする者を発見した場合に即座に情報を得られる連携体制を確立することなども求め...