歴史学
歴史学の講義では、何回かにわたって、天変地異という点から仏教について考察した。古代、中世、近世とその時代時代で人々が心の支えとする宗教のあり方、本質、宗教観念、対象階級などさまざまな宗教文化が変容していくということを学んだ。そこで私が関心を抱いたことは、現代日本の宗教文化を代表しているといってもよい新興宗教やオカルト宗教がなぜ現代社会において出現し、多くの人々を魅
歴史学
歴史学の講義では、何回かにわたって、天変地異という点から仏教について考察した。古代、中世、近世とその時代時代で人々が心の支えとする宗教のあり方、本質、宗教観念、対象階級などさまざまな宗教文化が変容していくということを学んだ。そこで私が関心を抱いたことは、現代日本の宗教文化を代表しているといってもよい新興宗教やオカルト宗教がなぜ現代社会において出現し、多くの人々を魅了するのか、また、どのような過程で出現したのかということであった。政権交代がはなはだしい時代ではあるが、諸外国に比べ、現代の日本社会は政治的に極めて安定している。その上、戦後の目覚しい経済復興を成し遂げ、私たちの民衆レベルでの日常生活もたいした支障はなく、苦しいわけでもない。医療、福祉制度も整備され、平均寿命は大きく伸びた。これらを総合すれば現代の日本社会は「豊か」で「幸せ」な国ではないだろうか。そのような現代において、なぜ多くの人々が宗教を求めるのだろうか。現代を歴史という範疇に入れることに無理があるかもしれないが、宗教に対する人々の反応や、対応、そして現代日本における宗教の存在とはどのようなものであるのか...