現代の若者の雇用状況を生み出した要因と若者雇用対策のあり方について
雇用慣行の変化
現代の若者の雇用状況を生み出した要因として、第一に、雇用慣行の変化が挙げられる。終身雇用・年功序列賃金といったシステムが廃止され、徐々に成果(能力)主義へと移行していった。自分の能力が役職昇進や賃金に反映されるこの制度は、社員の仕事に対する意欲・意識の向上という点では効果的であると考えられるが、終身雇用のような安心感や安定、また企業への愛着・忠誠心は薄れ、評価や成績を気にするあまり、意見やアイデアを出しづらくなってしまい、結果的に企業の利益につながらないのではないだろうか。また、社員同士の横のつながりも、希薄なものになっているのではないだろうか。そして、景気の悪化により企業は大量のリストラを行い、企業は人件費削減に努めた。この人々の穴を埋めるために、雇用は多様化したのではないだろうか。
雇用の多様化・流動化
そして第二に、雇用の多様化・流動化が挙げられる。現代の雇用形態は、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員などさまざまである。特に近年は、労働者派遣事業法の規制緩和に伴い、派遣社員や契約社員が増...