1.機能分化という概念
機能分化を簡単に説明するには、たとえば、大学病院に来るほどではない患者さんは診療所へ行ってもらうということが挙げられる。これは一見、診療所、もしくは患者さんを差別したものにも思われるかもしれないが、そうではない。本来、診療所は比較的軽症の患者、大学病院はそれよりも重症の患者への設備が整った場所なのだから、それで当然といえる。
2.機能分化が活きる条件
機能分化といってもただ、診療所は軽症の患者を、大学病院は重症の患者さんを診ようという方針では本来の目的は達成されない。それでは機能分化というよりは単なる役割分担である。もちろん症状の違いによって役割を分担してはいるが、患者は素人であるから、自ら症状を熟知できるとは限らない。重症であるのに診療所に行く場合もあり得る。その場合、診療所には治すのに十分な設備が整っていないので(診療所という言葉の定義から考えて)、大学病院への紹介がスムーズに行われ、紹介後にも大学病院からの病状の報告が行われていくというのが理想である。患者が完治して再び診療所での診療に戻るときのためにも、分化しながらも連携をとっている体制が必要である。表立っていわれている機能分化のメリットは、このような患者側のものである。
「病院機能分化の経営への影響」
1.機能分化という概念
機能分化を簡単に説明するには、たとえば、大学病院に来るほどではない患者さんは診療所へ行ってもらうということが挙げられる。これは一見、診療所、もしくは患者さんを差別したものにも思われるかもしれないが、そうではない。本来、診療所は比較的軽症の患者、大学病院はそれよりも重症の患者への設備が整った場所なのだから、それで当然といえる。
2. 機能分化が活きる条件
機能分化といってもただ、診療所は軽症の患者を、大学病院は重症の患者さんを診ようという方針では本来の目的は達成されない。それでは機能分化というよりは単なる役割分担である。もちろん症状の違いによって役割を分担してはいるが、患者は素人であるから、自ら症状を熟知できるとは限らない。重症であるのに診療所に行く場合もあり得る。その場合、診療所には治すのに十分な設備が整っていないので(診療所という言葉の定義から考えて)、大学病院への紹介がスムーズに行われ、紹介後にも大学病院からの病状の報告が行われていくというのが理想である。患者が完治して再び診療所での診療に戻るときのためにも、分化...