日本における一般廃棄物政策の検討および経済分析
はじめに
今日、環境問題が世界中から注目されており、もはや、人類の生存に関わる一番の課題でもあるだろう。こういう時代の背景の中、環境保全と経済発展の両立が可能な持続可能な社会をめざして、いろいろな議論や研究が行われている。
本論では、環境問題のなかでも、身近な廃棄物問題を取り上げて、政策的・経済学的な視点から、まず、日本の廃棄物問題の現状を大まかに把握した上で、環境保全のため、ごみ処理手数料の有料化政策について考察し、その効率性を経済学の視点から分析し論証する。また、その補完政策としての、デポジット・リファンドシステムの導入についての経済分析を行い、その有用性を考察する。
第一部:廃棄物問題の現状
廃棄物の種類は、一般廃棄物と産業廃棄物に分かれている。一般廃棄物とは、家庭から出る廃棄物(家庭系一般廃棄物)と事業活動によって生じた廃棄物のうち、法律で定められた19種類の産業廃棄物以外の廃棄物(事業...