新日鉄に限ったことではないが、秘密情報の確実な保護について明確にすることは非常に大切だと思う。数年前、私の父が勤める会社ではまだ社外に公表していないはずの新しいプロジェクトがあったが、社外の人間である母が噂でそのプロジェクトの内容を知っていた。噂のもとのもとをたどると、ある社内の人から漏れたということがわかった。それはたいした内容でもなかったし、その情報を悪用する人もいなかったため問題にもならなかったが、それが会社の将来をかけたような極秘のプロジェクトだったとしたら、とても大きな問題である。そのようなことにならないためにも、情報管理に関する明確な規定は設けるべきである。
新日鉄は1993年から2002年の10年間にはシステム費用を44%も削減することに成功している。その中で、在籍人員は61%減となっている。これには共通業務フローの効率化も関っていると思う。従来の、「精算伝票記入→上司承認(押印)→部長承認(押印)→機能部門審査→経理部審査→出納→現金授受」という面倒な流れが、改善後には「システム入力→上司(電子決済)→入力内容チェック、会計システム連動、実績データ蓄積→口座振り込み」という流れに変わっている。ITの活用による中間の承認の廃止は費用の削減と期間の短期化をもたらし、この点では非常に良いことに思える。しかし、中間の労力にはそれ相応の意味があるのではないか。いくら入力内容をコンピュータなどの機械でチェックするといっても、それを使うのは人間である。たまには間違うこともあるだろう。それをチェックするためにも書類は社内の色々な人の目から何度もチェックを受けたほうが間違いを発見しやすいだろう。客観的な判断は、少数の人の機械的な作業では得られない価値を持っていると思う。そのためにも、費用をかけてでも多数の人からの確認は続けるべきだと考える。
「情報管理の重要性-新日鉄を例として-」
新日鉄に限ったことではないが、秘密情報の確実な保護について明確にすることは非常に大切だと思う。数年前、私の父が勤める会社ではまだ社外に公表していないはずの新しいプロジェクトがあったが、社外の人間である母が噂でそのプロジェクトの内容を知っていた。噂のもとのもとをたどると、ある社内の人から漏れたということがわかった。それはたいした内容でもなかったし、その情報を悪用する人もいなかったため問題にもならなかったが、それが会社の将来をかけたような極秘のプロジェクトだったとしたら、とても大きな問題である。そのようなことにならないためにも、情報管理に関する明確な規定は設けるべきである。
新日鉄は1993年から2002年の10年間にはシステム費用を44%も削減することに成功している。その中で、在籍人員は61%減となっている。これには共通業務フローの効率化も関っていると思う。従来の、「精算伝票記入→上司承認(押印)→部長承認(押印)→機能部門審査→経理部審査→出納→現金授受」という面倒な流れが、改善後には「シ...