ナッシュ均衡混合戦略は、それぞれの戦略がとられる確率変数を導入した均衡概念である。一般に実際の戦略との区別をするために、戦略そのものを純粋戦略、戦略が選ばれる確率のことを混合戦略と呼んでいる。
複数のナッシュ均衡があるときや、純粋戦略でのナッシュ均衡がないときに混合戦略は威力を発揮する。
上のゲームにおいては、それぞれ二つの戦略はナッシュ均衡戦略(双方ともナッシュ均衡に絡んでいる)であり、かつ利得表は対称的であるから、プレイヤーたちはどちらの戦略を選べばよいかわからない。さらにいうと、プレイヤーがどちらかの戦略を好む、ということに理由付けをすることができない(ステップ1)。このようなとき、プレイヤーたちは確率的に行動する(ステップ2)。
このときのゲームの解は、ステップ1とステップ2と整合的な確率化の方法が、各プレイヤーごとに唯一つ存在することである。
そのための条件として、例えばRの立場に立ったとすると、RがR1から得ることの出来る期待利得とR2から得ることの出来る期待利得は等しくなければならない。なぜならば、期待利得がどちらかのケースで大きくなってしまうと、「プレイヤーがどちらかの戦略を好む、ということ」に理由付けをすることが可能になってしまうので、ステップ1に反してしまうからである。
しかし、この混合戦略ナッシュ均衡には問題がある。そもそもナッシュ均衡の定義とは、「均衡においては、自分以外のプレイヤーの戦略を所与としたとき、単独で逸脱するインセンティブを持たない」ということであった。しかし、このケースにおいては、相手がナッシュ均衡戦略をとったとき、自分もナッシュ均衡戦略をとるためのインセンティブがないのである。
具体的に計算してみよう。
ナッシュ均衡混合戦略(NEMS)
ナッシュ均衡混合戦略は、それぞれの戦略がとられる確率変数を導入した均衡概念である。一般に実際の戦略との区別をするために、戦略そのものを純粋戦略、戦略が選ばれる確率のことを混合戦略と呼んでいる。
複数のナッシュ均衡があるときや、純粋戦略でのナッシュ均衡がないときに混合戦略は威力を発揮する。
C1(q) C2(1-q) R1(p) +5、0- -1、-1 R2(1-p) -1、-1 +0、5- 上のゲームにおいては、それぞれ二つの戦略はナッシュ均衡戦略(双方ともナッシュ均衡に絡んでいる)であり、かつ利得表は対称的であるから、プレイヤーたちはどちらの戦略を選べばよいかわからない。さらにいうと、プレイヤーがどちらかの戦略を好む、ということに理由付けをすることができない(ステップ1)。このようなとき、プレイヤーたちは確率的に行動する(ステップ2)。
このときのゲームの解は、ステップ1とステップ2と整合的な確率化の方法が、各プレイヤーごとに唯一つ存在することである。
そのための条件として、例えばRの立場に立ったとすると、RがR1から得ることの出来る期待利得とR...