今回観賞した映画『蝉しぐれ』のテーマは個人的には「友情」、「社会」、「運命」が基盤となっているもの、そして共通するもの、あるいは極限ともいえる「愛」を感じたので、テーマを「愛」とした。実は序盤のほうは何が起こっていたかほとんど理解できずに観賞していた。というよりも序盤のほうではほとんど印象がのこらなく、たいくつさまでも感じてしまっていた。なんとか理解したといえば、牧文四郎の袖を女の人がつかんでいたことと、牧文四郎の父がその強い信念のために命を絶たなければならなかったことだけだった。しかし、中盤あたりで少しずつ監督の伝えたいことが理解してきた気がした。序盤では展開がわかりにくかったのを中盤あたりでカバーしていた感じがした。幼い頃の牧文四郎の友達たちが実は牧文四郎の人生において重要な役割を果たしていて、牧文四郎は父の死後に周りからの偏見を受けて、幼馴染であるおふくとつながりたくともつながらなかった悲しみの愛へと続く物語であると感じた。それでもお互いの気持ちは理解しあっているという強い愛情は最後まで感じた。時代劇ブームの現代においてさらにそれが発展していくような作品に仕上がっていると感じた。
私がこの映画を通じて一番に感じたのが作曲家の岩代太郎の曲である。彼は私が尊敬する作曲家の一人であり、私はこの映画を通して彼のこの映画に対する曲の構成がはっきりと見えたと感じた。たった一回しか映画は観ていないが、それでも頭の中に残る彼の曲は時代背景を自然と私に伝えてくれて、たとえ物語が理解できなくとも話の展開(論理展開も含めて)を言葉以上のもので私を指し示してくれた。最も今回の彼の作品は『With Love』などで作曲した曲とは異なり、ある種『あぐり』で彼が手がけていた曲のような印象が私には映画を通して浮かび上がってきた。
今回観賞した映画『蝉しぐれ』のテーマは個人的には「友情」、「社会」、「運命」が基盤となっているもの、そして共通するもの、あるいは極限ともいえる「愛」を感じたので、テーマを「愛」とした。実は序盤のほうは何が起こっていたかほとんど理解できずに観賞していた。というよりも序盤のほうではほとんど印象がのこらなく、たいくつさまでも感じてしまっていた。なんとか理解したといえば、牧文四郎の袖を女の人がつかんでいたことと、牧文四郎の父がその強い信念のために命を絶たなければならなかったことだけだった。しかし、中盤あたりで少しずつ監督の伝えたいことが理解してきた気がした。序盤では展開がわかりにくかったのを中盤あたり...