道徳教育が重視される背景
近年、道徳教育の充実が求められるようになってきているが、その背景には、生徒個人が集団、社会、自然といった諸々の環境とのつながりを認識する機会がなく、それらとの関係が希薄化してしまっているということが挙げられる。こうした環境との関係が希薄な状況が存在することによって、たとえば、生徒は学校で些細なきっかけから生徒は仲間はずれにされてしまい、やがていじめや不登校問題を生んでしまう。あるいは自然の存在をあまり意識しない生徒であれば、悪気なくゴミのポイ捨てを行ってしまうことも考えうるであろう。
こうした問題を解決するにあたっては、学生指導要領でいうところの「人は、家族、学校、地域社会、国家、国際社会などの社会集団の中で、何らかの役割を果たしながら生きている。そして、権利・義務や責任を通して互いに社会連帯の意識を持ち、進んで公共の福祉に努めようとするものである。」といった個人と集団との望ましい生き方を教えることが重要となり、それを担うのが道徳教育なのである。
体験的な道徳教育
それでは、道徳教育はどのように実践されるべきであろうか。これまで道徳教育においては、...