イギリス・フランス・ドイツの政治発展パタンの比較

閲覧数3,852
ダウンロード数40
履歴確認

    • ページ数 : 7ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     政治発展を促すものとはなんだろうか。それに対する答えには、様々なものがある。経済的側面、文化的側面、軍事的側面など、様々な面から検討することが可能だ。
     しかし、まずは最も基本的な部分を考えてみたい。それはブルジョワの存在である。欧州の資本主義的な発展に付随するブルジョワの台頭こそが、政治発展の駆動力となる。彼らによって国家は、王権の独裁・貴族の封建主義的権益擁護などから自由になり、民主化へと移行していったのだ。
     そこで、英仏独の政治発展パタンの比較の前に、まず三者の近代に至るまでの歴史を、ブルジョワの存在に注目して追っていきたい。

    <イギリス>
     イギリスは世界でもいち早く市民革命、産業革命を経て、近代化に成功した国である。同様に、ブルジョワの台頭も他国に比べ早かった。
     11世紀半ばから、イギリスのアングロ・サクソンは、ノルマン人に侵略され、異民族支配を受ける。支配者であるノルマン人は、被支配者である彼らの反発を高めないため、というよりも支配者と被支配者の間で言葉が通じなかったため、民事の揉め事の裁定は現地の長老らに任せる方針を取った。そうした中で、爵位こそ与えられないものの、アングロ・サクソン系の諸侯は次第に発言力を強めていった。
     このアングロ・サクソン社会で、大地主でもあり地域で指導的な立場にいる人々をジェントリと呼んだ。ジェントリは、1215年「マグナ・カルタ」制定以降、議会を通じて発言力を次第に強め、後に王権と対峙するようになる。このため、イギリスでは官僚機構に支えられた絶対王政ではなく、議会制度と陪審制の発達した個人主義の市民社会が形成されていった。
     16世紀からは羊毛をはじめとする産業・貿易が拡大し、経済基盤が高まっていく。ジェントリは地方行政や議会で活躍していたが、彼らに代わって商工業で富を蓄えたブルジョワ層が台頭し始める。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    政治発展を促すものとはなんだろうか。それに対する答えには、様々なものがある。経済的側面、文化的側面、軍事的側面など、様々な面から検討することが可能だ。
    しかし、まずは最も基本的な部分を考えてみたい。それはブルジョワの存在である。欧州の資本主義的な発展に付随するブルジョワの台頭こそが、政治発展の駆動力となる。彼らによって国家は、王権の独裁・貴族の封建主義的権益擁護などから自由になり、民主化へと移行していったのだ。
    そこで、英仏独の政治発展パタンの比較の前に、まず三者の近代に至るまでの歴史を、ブルジョワの存在に注目して追っていきたい。
    <イギリス>
    イギリスは世界でもいち早く市民革命、産業革命を経て、近代化に成功した国である。同様に、ブルジョワの台頭も他国に比べ早かった。
    11世紀半ばから、イギリスのアングロ・サクソンは、ノルマン人に侵略され、異民族支配を受ける。支配者であるノルマン人は、被支配者である彼らの反発を高めないため、というよりも支配者と被支配者の間で言葉が通じなかったため、民事の揉め事の裁定は現地の長老らに任せる方針を取った。そうした中で、爵位こそ与えられないものの、アングロ・...

    コメント2件

    hi0108 購入
    西洋の政治の要点であるブルジョワが的確にとらえられていていい
    2006/05/11 15:57 (18年6ヶ月前)

    inoshishi5 購入
    分かりやすかったです
    2006/10/03 5:00 (18年1ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。