1.はじめに
『スウェーデン/女性解放の光と影』の第3章「職場の女性と男性」の中に、ベーティル・ガルデルとその仲間による「労働経験と性的役割」の研究について、述べられている。この研究は、シュピンの企業で働く男女にインタビューしたものである。
ここでは、この研究の結果をまとめ、関連すると思われる日本のデータを挙げて比較し、日本における職場の女性と男性について考えたいと思う。
2.「労働経験と性的役割」の研究
ここで調査された女性は、1週間28時間で4交替の特別労働時間で、男の仕事に配属されている人たちである。つまり、この調査では、産業は同じだが労働時間が違う男性の労働経験とこの女性達の労働経験とを比べている。
その結果、はっきりしたことは、女性は男性より仕事に積極的で、自分たちの仕事に前向きに取り組んでいる。監督やボス、賃金やいろいろな情報にもより積極的である。では、どうして女性はこのように仕事に肯定的な態度でいられるのかというと、次の2つのことがいえる。
?女性は男性よりも野心や向上心が低く、逆にそのためにより積極的になれる。
?女性は男性と扱いが違う。この女性たちは特別な労働時間で働いていて、工場で訓練も受けたり実験計画に参加している恩典がある。そんなことが会社に好意を持たせている。
また、「自分の仕事で何が一番いいか」という質問については、男性は雇用が安定している点を最も評価し、次に賃金がいいこと、3番に友情であった。一方、女性は友情を最も評価し、次に監督が信頼できる良い人間だと言う。賃金については8番目まで出てこなかった。これは、男性が一家の大黒柱として稼ぎ手の役割の点から最も重視して仕事をみているからである。ところが女性は、仕事に人間関係の良さやふれあいを一番重視している。
職場の女性と男性について
1.はじめに
『スウェーデン/女性解放の光と影』の第3章「職場の女性と男性」の中に、ベーティル・ガルデルとその仲間による「労働経験と性的役割」の研究について、述べられている。この研究は、シュピンの企業で働く男女にインタビューしたものである。
ここでは、この研究の結果をまとめ、関連すると思われる日本のデータを挙げて比較し、日本における職場の女性と男性について考えたいと思う。
2.「労働経験と性的役割」の研究
ここで調査された女性は、1週間28時間で4交替の特別労働時間で、男の仕事に配属されている人たちである。つまり、この調査では、産業は同じだが労働時間が違う男性の労働経験とこの女性達の労働経験とを比べている。
その結果、はっきりしたことは、女性は男性より仕事に積極的で、自分たちの仕事に前向きに取り組んでいる。監督やボス、賃金やいろいろな情報にもより積極的である。では、どうして女性はこのように仕事に肯定的な態度でいられるのかというと、次の2つのことがいえる。
①女性は男性よりも野心や向上心が低く、逆にそのためにより積極的になれる。
②女性は男性と扱いが違う...