教員に求められる資質能力は大きくわけて2つある。教員である以上はいつの時代であっても一般的に求められる不易な資質能力と、この一般的資質能力を前提として現代社会の状況や学校、教員を巡る諸問題を踏まえ、変化に適切に対応する資質能力がある。では、それぞれの具体的な資質能力はどのようなものか。
学校教育の直接の担い手である教員の活動は、人間の心身の発達に関わるものであり、子どもたちの人格形成に大きな影響を及ぼすものである。これはいつの時代であっても変わらない。そのためには、教育者としての使命感を持ち、人間の成長や発達について深く理解し、何よりも子どもたちに対する教育的愛情を持つ。また教員は、ILO・ユネスコ共同勧告の「教師の地位に関する勧告」の中で「教職は、専門職でなければならない」と規定されており、教育の科学、技術の向上は、専門職化の重要な要件として位置づけられている。
これらの教員としての資質能力を培うために、教員の養成、採用、研修の各段階を通じ、施策の一層の充実が重要視されている。それではここで教員の養成という観点から、なぜ教員には上記のような資質能力が求められているのかを明らかにしておく。
以前は、教員がそれぞれの分野の学問的内容や研究方法を身につければ、それで十分下級学校で教えられると考えられていた。教育内容や学識の方が重視され、教育技術や生徒理解などは全く無視されていた。ところが、「教師の地位に関する勧告」などを経て、大学で教員を養成すべきだという考えになった。文部省(現文部科学省)は大学における教員養成課程において、「生徒指導」や「特別活動」などに関する科目を新設したり、「教育実習」に関する単位を増加させたりして、教職科目の強化を図るように改正した。教職科目を重視し、生徒指導力の向上と教職の使命感の高揚に力が置かれるようになってきたという経緯がある。
教員に求められる資質能力は大きくわけて2つある。教員である以上はいつの時代であっても一般的に求められる不易な資質能力と、この一般的資質能力を前提として現代社会の状況や学校、教員を巡る諸問題を踏まえ、変化に適切に対応する資質能力がある。では、それぞれの具体的な資質能力はどのようなものか。
学校教育の直接の担い手である教員の活動は、人間の心身の発達に関わるものであり、子どもたちの人格形成に大きな影響を及ぼすものである。これはいつの時代であっても変わらない。そのためには、教育者としての使命感を持ち、人間の成長や発達について深く理解し、何よりも子どもたちに対する教育的愛情を持つ。また教員は、ILO・ユネスコ共同勧告の「教師の地位に関する勧告」の中で「教職は、専門職でなければならない」と規定されており、教育の科学、技術の向上は、専門職化の重要な要件として位置づけられている。
これらの教員としての資質能力を培うために、教員の養成、採用、研修の各段階を通じ、施策の一層の充実が重要視されている。それではここで教員の養成という観点から、なぜ教員には上記のような資質能力が求められているのかを明らかにしてお...