幼児保育の基本と教科「生活」の目標と内容との関連や連続について具体的に考察せよ。
(1)幼児保育の基本について、まず幼稚園教育を中心に述べていく。幼稚園の目的は、学校教育法第77条に「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること」と示されている。幼児の教育にとって環境は重要な条件となり、環境を通して行う保育が幼稚園教育の最も基本となる。
ここでの「環境」とは、幼児の主体的意欲的な周りの世界への働きかけによって達成することができ、人(家族・保育者・友達)、地域(場・人)、事物(おもちゃ・動物・遊具)、空間、時間、文化(行事)、その場の雰囲気(クラス・幼稚園・保育園)等の幼児を取り巻いている様々な物を示している。このような環境による保育を行うにあたっては、以下のような点に留意する必要がある。
①幼児期にふさわしい生活が展開されるようにすること
幼児の生活は、ほとんどが興味や関心に基づいた自発的な活動から構成されている。それによって、環境設定の際は、幼児が主体的にかかわり十分に活動し、生活を通してたくさんのことを学び、充実感を味わうことができるようにしなければなら...