婚姻によって、両当事者は夫婦関係が生じ、配偶者として身分上、財産上の義務と権利が生じることになる。
そのため、家庭や社会に影響を与える責任のある契約である。
そこで、本論では、
婚姻の成立について、
婚姻の成立要件を整理し、婚姻によって生じる諸問題をのべていきたい。
特に婚姻の成立要件のひとつである「婚姻の意思」を中心に、離婚を前提とした婚姻の是非についてとりあげたい。
1)婚姻の成立要件
Ⅰ:実質的要件
Ⅱ:形式的要件
2)婚姻によって生じる諸問題
3)まとめ
2004年1月人気女性歌手であるブリトニー・スピアーズが婚姻騒動を起こしたことは思い出に久しい。彼女が酔った勢いで幼なじみと電撃挙式をしたうえ、55時間後に婚姻無効の申請をしたという騒動である。彼女の関係者は騒動を「冗談」と発表した。アメリカ、ニューヨーク州においては、こうした婚姻の無効を認めているようだが、冗談で婚姻をし、無効にしてよいというのは理解しがたい。日本での婚姻とは、憲法24条に「一男一女が結ぶ私法上の契約であり、両性の合意のみに基づいて成立するもの」であり、この結合は一生のものでなければならない。婚姻によって、両当事者は夫婦関係が生じ、配偶者として身分上、財産上の義務と権利が生じることになる。そのため、家庭や社会に影響を与える責任のある契約である。そこで、本論では、婚姻の成立について、婚姻の成立要件を整理し、婚姻によって生じる諸問題をのべていきたい。特に婚姻の成立要件のひとつである「婚姻の意思」を中心に、離婚を前提とした婚姻の是非についてとりあげたい。
1)婚姻の成立要件
婚姻が有効に成立するためには、実質的要件と形式的要件が必要である。
Ⅰ:実質的要件
①当事者間の...