C.フリードリヒとH.ファイナーの行政責任論
権力分立を徹底させようとしたアメリカ合衆国の連邦統治機構において、戦間期における世界大恐慌の克服策としてのニューディール政策に見られるように、行政機能の拡大と行政権の強化による行政国家化の傾向が表面化してくることになった。このように行政府の役割は既定の法律の執行や政策の実施にとどまるものではなく、むしろ、政府が直面する各種の社会問題の解決にあたり、政策形成機能を通じて積極的な役割を果たすべきだ、という考え方が有力になっていった。このような中、ドイツ生まれのC.フリードリヒとイギリス生まれのH.ファイナーの間で1940年前後に行政責任論争が展開され...