企業会計は報告主体によって財務会計と管理会計の2つに大別される。主に企業が発行する有価証券(株式や社債)の売買を行う投資家や、企業に資金の貸出をする債権者等の企業外部者を報告対象とした会計である。これを財務会計という。投資家(個人投資家の他、有価証券の売買を主要業務とする機関投資家)は、企業の作成し公表する財務諸表を基にしてその投資意思決定を行うので、財務諸表の果たす役割は大きい。
財務会計は、更に法律が会計を規制する領域と、法律と結びつかず会計独自の理論的な領域(制度化されていない会計)とに分けられる。前者を制度会計という。制度会計には商法及び会計法会計・証券取引法(金融商品取引法)会計・税務会計の3つがある。このような財務会計に対し、経営者や中間管理者等の企業内部者を報告対象とした会計を管理会計という。この管理会計には、例えば設備の投資計画や外部購入あるいは自己生産といった種々の意思決定に関する領域と、短期利益計画(予算)や長期利益計画を中心とした業績管理の領域とがある。又、まだ制度化されていない会計と管理会計を併せて情報会計といい、会計情報の有用性が強調される。
商人が会計を...