刑法:実行の着手

閲覧数2,778
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1 実行の着手とは、実行行為の一部を開始することをいう。
    2 実行の着手が認められると、未遂犯として原則的に処罰されることになるが、実行の着手に至らなければ予備・陰謀にとどまり原則として処罰されないため、実行の着手は、未遂犯と予備罪・陰謀罪を区別する基準として重要である。
    3(1)では、実行の着手をいかなる時点で認めるべきか。
    (2)この点、犯罪の意思が外部的に明らかになった時点で実行の着手を認めるとする説がある(主観説)。
    しかし、犯罪の意思を重視することから、処罰時期が早くなりすぎる。また、基準が不明確であるので判断が恣意的になりやすいので妥当でない。
    (3)また、罪刑法定主義の見地から形式性を重視し、構成要件の一部の実行行為を開始した段階で、実行の着手を認めるとする説がある(形式的客観説)。
    しかし、そもそもどのような場合が「構成要件の一部の実行行為を開始」する時点なのか不明確であるので妥当でない。
    (4)思うに、未遂犯が処罰されるのは、構成要件的結果発生の現実的危険性を生ぜしめたからである。よって、実行の着手は構成要件的結果発生の現実的危険性を含む行為を開始した時点で認められる(実質的客観説)。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    刑法課題レポート 14
    1.問題
    実行の着手について一般的にその意義を述べた上、間接正犯の実行の着手について論ぜよ。
    2.回答
    1 実行の着手とは、実行行為の一部を開始することをいう。
    2 実行の着手が認められると、未遂犯として原則的に処罰されることになるが、実行の着手に至ら
    なければ予備・陰謀にとどまり原則として処罰されないため、実行の着手は、未遂犯と予備罪・
    陰謀罪を区別する基準として重要である。
    3(1)では、実行の着手をいかなる時点で認めるべきか。
    (2)この点、犯罪の意思が外部的に明らかになった時点で実行の着手を認めるとする説がある(主
    観説)。
    しかし、犯罪の意思...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。