言語学入門

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    資料紹介

     蜂のダンスやベルベット・モンキーの鳴き声、ビーバーの水面たたきといった生物学的サインと人間の言語を連続的なものとして捉えることは可能であろうか? これは非常に難解な問いである。この問いに答えるために記号や知識の概念、さらにはグライスの「非自然的意味」の概念について考えていきたいと思う。
     最初に記号について考える。われわれが使う記号は主に、三種類に分けられると考えられる。まずそれらについて順に説明しよう。一つ目はIconic signと呼ばれるものである。これは絵や図形などで何かを示すというものである。たとえば、タバコの絵があってその上にバッテンのマークが書かれていたとすれば、それは喫煙禁止のIconic signとなる。このようにIconic signは指示対象との自然的なつながりを持つようなsignである
     二つ目はIndex signと呼ばれるものである。これは、たとえば(熊の)足跡を見て熊の存在を察するとき、この足跡は熊のIndex signになっているといえる。あるいは置いておいたリンゴが食べられているのを見れば、それはそこに誰かが来たことを示すIndex signとなる。つまりIndex は指示対象の一部分、あるいは指示対象を表象するようなものを持ってきてそれをsignとするものである。ここで注意したいのがIndexには誤表象がないということである。先の熊の例を考えてみる。もし足跡が熊によって作られたものではなく、実は誰かが熊の足をかたどったスタンプを押したものによるものだとすれば、それは熊のIndex signと成りえなくなってしまう。このような場合、別のもののIndex signとなるか、あるいは何もののIndex signにもならなくなってしまう。
     最後のひとつはSymbolic signと呼ばれるものである。これはIconとIndexのどちらにも分類されないsignを指す。多くの数学の記号はこのSymbolに属するといえる。

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    哲学特殊講義 
                                 
    蜂のダンスやベルベット・モンキーの鳴き声、ビーバーの水面たたきといった生物学的サインと人間の言語を連続的なものとして捉えることは可能であろうか? これは非常に難解な問いである。この問いに答えるために記号や知識の概念、さらにはグライスの「非自然的意味」の概念について考えていきたいと思う。
    最初に記号について考える。われわれが使う記号は主に、三種類に分けられると考えられる。まずそれらについて順に説明しよう。一つ目はIconic signと呼ばれるものである。これは絵や図形などで何かを示すというものである。たとえば、タバコの絵があってその上にバッテンのマークが書かれていたとすれば、それは喫煙禁止のIconic signとなる。このようにIconic signは指示対象との自然的なつながりを持つようなsignである
     二つ目はIndex signと呼ばれるものである。これは、たとえば(熊の)足跡を見て熊の存在を察するとき、この足跡は熊のIndex signになっているといえる。あるいは置いておいたリンゴが食べられている...

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