国際機構論レポート〜国連の集団的安全保障体制について〜

閲覧数7,623
ダウンロード数40
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    (1)国連憲章で構想されている集団的安全保障体制とはいかなるものか。
     国連憲章の条文を中心にまとめてみたい。まず国際連合の下で加盟国は、紛争の平和的解決の義務を負い(2条3項)、戦争よりさらに広く武力の行使またはその威嚇を慎む義務を負う(2条4項)とされている。このような一般的義務のもとで第6章33条〜38条は紛争の平和的解決の手続きを述べ、第7章は強制措置を規定する。
     集団安全保障体制の核となる強制措置の発動に関しては国連憲章の第7章で規定がなされており、まず安全保障理事会が平和への脅威、平和の破壊、侵略行為の存在を決定する(39条)。いずれかの存在が決定されると安保理は事態の悪化を防ぐ暫定措置を要請し(40条)、それが効果を上げないときには経済関係、鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信、その他の運輸通信手段全部、または一部の中断ならびに外交関係の断絶など非常事態措置をとる(41条)。さらに41条の措置が不十分と認められるときには、軍事的措置(陸、海、空軍の行動)がとられることになる(42条)それを実行する国連軍は各加盟国の提供する軍隊により構成されるが、各国はそのために安保理と特別協定を締結することが規定されている(43条)。そして国連軍の軍事作戦を遂行するために、常任理事国の参謀総長(または代表者)で組織される軍事参謀委員会を設置し、安保理に提供される兵力の運用に責任を負う(47条)とされている。
    (2)それは同盟とはどのように異なるのか。
     同盟も時代によってその性格を変化させているが、基本的には自衛権に基づく集団行動をもとにして同盟の外に敵、あるいは脅威を想定したものである。他方、国連憲章で構想されている集団的安全保障は外部に何らかの敵や脅威を想定するのではなく、理想的にはすべての国家を包含し、その上で違反国に対してその他の加盟国が共同で経済制裁や武力行使も含めた行動をとるとしている。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    国際機構論レポート
    ~国連の集団的安全保障体制について~
    (1)国連憲章で構想されている集団的安全保障体制とはいかなるものか。
    国連憲章の条文を中心にまとめてみたい。まず国際連合の下で加盟国は、紛争の平和的解決の義務を負い(2条3項)、戦争よりさらに広く武力の行使またはその威嚇を慎む義務を負う(2条4項)とされている。このような一般的義務のもとで第6章33条~38条は紛争の平和的解決の手続きを述べ、第7章は強制措置を規定する。
    集団安全保障体制の核となる強制措置の発動に関しては国連憲章の第7章で規定がなされており、まず安全保障理事会が平和への脅威、平和の破壊、侵略行為の存在を決定する(39条)。いずれかの存在が決定されると安保理は事態の悪化を防ぐ暫定措置を要請し(40条)、それが効果を上げないときには経済関係、鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信、その他の運輸通信手段全部、または一部の中断ならびに外交関係の断絶など非常事態措置をとる(41条)。さらに41条の措置が不十分と認められるときには、軍事的措置(陸、海、空軍の行動)がとられることになる(42条)それを実行する国連軍は各加盟国の...

    コメント4件

    kiona16 購入
    国連憲章に基づくきちんとした内容で、具体的なので参考になった。
    2006/01/10 3:01 (18年10ヶ月前)

    jajayoyo2 購入
    kinoa16さんと同じ感想です。
    2006/01/16 21:05 (18年10ヶ月前)

    bariafuri 購入
    初回ログイン者にも優しい、50ポイントという安価でありながら様々なレポートに併用できる資料である。
    2007/01/24 14:55 (17年10ヶ月前)

    avantgarde 購入
    大変参考になりました。有難うございます。
    2007/01/30 15:57 (17年10ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。