1、やらせと演出
テレビ番組についてたびたび取り上げられる問題に「やらせ」がある。番組制作者側がタレント、もしくは一般人にあらかじめ言動についての指示を出してそのとおりに行動させておきながら、あたかもそれが思いもかけずに起こったことのような扱いをしてカメラに収め、放送する行為だ。
わたしは今の日本のバラエティ番組はほとんどこの仕組みによって成り立っていると思う。例えば某テレビ局で土曜日8時から放映されているあるバラエティ番組、わたしはこの番組が大嫌いなのだが、たまに友人と一緒にいるときに見ると、まるで番組の企画ほとんどがやらせである(例えば、あるタレントの一日の生活を追うという企画だったとしたら、そのタレントがまずありえない場所へ行って頓狂な行動をし笑いを取る、など)ということを視聴者が理解しているという前提で番組を制作しているようにしか思えない。また、すでに打ち切りになった番組で、制作者側が用意した人物が顔にモザイクをかけられ、偽の夫婦喧嘩をしてみせるというものもあったが、これは明らかに視聴者を馬鹿にした製作態度であるにも関わらず、マス・メディア全体を巻き込んだ社会問題になるということはない。なぜなら、これら一般にバラエティと呼ばれる番組のやらせ行為は社会に実害をもたらすことがなく、「演出」という枠内で括られ見逃されるからだ。
けれどもドキュメンタリー番組やニュース番組になると「演出」というわけにはいかない。現実と虚構の区別を明確にしておかねばならないこれらの部門のやらせは、マス・メディア全体の信用の失墜という重大な実害を社会にもたらすからだ。
1、やらせと演出
テレビ番組についてたびたび取り上げられる問題に「やらせ」がある。番組制作者側がタレント、もしくは一般人にあらかじめ言動についての指示を出してそのとおりに行動させておきながら、あたかもそれが思いもかけずに起こったことのような扱いをしてカメラに収め、放送する行為だ。
わたしは今の日本のバラエティ番組はほとんどこの仕組みによって成り立っていると思う。例えば某テレビ局で土曜日8時から放映されているあるバラエティ番組、わたしはこの番組が大嫌いなのだが、たまに友人と一緒にいるときに見ると、まるで番組の企画ほとんどがやらせである(例えば、あるタレントの一日の生活を追うという企画だったとしたら、そのタレントがまずありえない場所へ行って頓狂な行動をし笑いを取る、など)ということを視聴者が理解しているという前提で番組を制作しているようにしか思えない。また、すでに打ち切りになった番組で、制作者側が用意した人物が顔にモザイクをかけられ、偽の夫婦喧嘩をしてみせるというものもあったが、これは明らかに視聴者を馬鹿にした製作態度であるにも関わらず、マス・メディア全体を巻き込んだ社会問題になる...