規制緩和政策は、今や国民的課題となっている。これはその政策の効果を直接、間接に受ける消費者の利益に深く関わる問題であるからである。このレポートは政策動向と規制の運用から、消費者の本質的利益の所在を確認しようとするものである。それにあたり製造たばこ販売の需給調整の廃止と小売価格の自由化に関しての例を挙げて論じていく。
規制の基準を下げるよう求める業者側は言い分には、「政府の規制緩和推進計画再改定(97年3月28日)においても、需給調整の観点から行なわれている参入規制については、原則として廃止とすることとされている。また、行革委もその最終意見(97年12月12日)において許可制度の需給調整的な参入要件及び小売定価販売義務は、消費者の利害を阻害していると考えている。また、未成年者の喫煙防止についても社会的規制方式として効果がなく、相応しくないと指摘している。また、製造たばこの小売価格に係る認可制度は、85年の専売制廃止に伴う零細小売店への激変緩和措置として、「当分の間」設けられたものであり、嗜好品である製造たばこの価格について、いまや定価制を設けている意味はない。現行の硬直的な小売価格制度は、消費者利益を損なうとともに、小売業者の自由な販売努力の機会を阻害している。たばこ税は従量税であり、納税義務者はたばこ製造業者及び特定販売業者(たばこ輸入業者)であることから、小売価格を自由にしても財政収入の安定的な確保という法目的に特段の支障はない。」といったものである。要点をまとめると、タバコ産業への新規参入規制の撤廃、定額販売の原則の廃止がそれぞれ問題に挙げられている。しかし、規制緩和をすれば消費者と業者の利益になる面がもちろんあるが、自由競争が過激に進めば、市場の失敗が発生し消費者が不利益をこうむる面もある。
規制緩和政策
規制緩和政策は、今や国民的課題となっている。これはその政策の効果を直接、間接に受ける消費者の利益に深く関わる問題であるからである。このレポートは政策動向と規制の運用から、消費者の本質的利益の所在を確認しようとするものである。それにあたり製造たばこ販売の需給調整の廃止と小売価格の自由化に関しての例を挙げて論じていく。
規制の基準を下げるよう求める業者側は言い分には、「政府の規制緩和推進計画再改定(97年3月28日)においても、需給調整の観点から行なわれている参入規制については、原則として廃止とすることとされている。また、行革委もその最終意見(97年12月12日)において許可制度の需給調整的な参入要件及び小売定価販売義務は、消費者の利害を阻害していると考えている。また、未成年者の喫煙防止についても社会的規制方式として効果がなく、相応しくないと指摘している。また、製造たばこの小売価格に係る認可制度は、85年の専売制廃止に伴う零細小売店への激変緩和措置として、「当分の間」設けられたものであり、嗜好品である製造たばこの価格について、いまや定価制を設けている意味はない。現行の硬直的な...