石油について

閲覧数1,946
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     天然ガスと石油は、多分、海産の有機物が分解してできたものと考えられるが、通常、地球の上層部にある粒状の岩(石灰岩や砂岩)の間隙にあり、その上をおおている孔のない岩によって閉じ込められている。この岩の下まで油井を掘ると、内圧のなくなるまでしばらくの間、石油が地表へ圧出されるが、それからはポンプで汲み上げなければならない。油井から吹き出す天然ガスは、大部分メタンとガス状の同族体から成っているが、C5〜C7の炭化水素も溶存している。これらの炭化水素は、普通の状態では液体で、ガソリンの成分として重要なものである。したがって、粗製のガスを油洗浄器、または圧縮器に送って一般に天然ガソリンと呼ばれている成分を得る。以前は精製ガソリンの揮発性を増すために、この天然ガソリンを混合していた。天然ガソリンを除いた残留ガスは、パイプで家庭や工場に送られて燃料になる。石油は通常、暗色の粘りのある油であり、蒸留によって沸点範囲の違う区分に分け、これらの区分についてさらに酸性や塩基性部分の抽出などを行なって精製する。ガソリン部分は沸点範囲が40〜205℃である。
    【成分】
     天然ガソリンを除いた天然ガスの主成分は、メタンでC2〜C4の同族体も含まれているが、その含量は、C2からC4へ行くにしたがって減少する。また、特殊な地方から出るガスには窒素やヘリウムが含まれていることもある。低位のアルカン類の沸点は相互にも、また窒素やヘリウムとも相当違っているから、低温加圧下で液化させ、分別蒸留によって能率よく成分を分離することができる。純粋なものはこうしてつくられるが、その沸点を列記するとメタン(−162℃)、エタン(−89℃)、プロパン(−42℃)、ヘリウム(−269℃)である。この方法でつくられた炭化水素は、選択的にクラッキングによって工業上重要な合成原料となる不飽和化合物に変えられる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    石油について
     天然ガスと石油は、多分、海産の有機物が分解してできたものと考えられるが、通常、地球の上層部にある粒状の岩(石灰岩や砂岩)の間隙にあり、その上をおおている孔のない岩によって閉じ込められている。この岩の下まで油井を掘ると、内圧のなくなるまでしばらくの間、石油が地表へ圧出されるが、それからはポンプで汲み上げなければならない。油井から吹き出す天然ガスは、大部分メタンとガス状の同族体から成っているが、C5~C7の炭化水素も溶存している。これらの炭化水素は、普通の状態では液体で、ガソリンの成分として重要なものである。したがって、粗製のガスを油洗浄器、または圧縮器に送って一般に天然ガソリンと...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。