全農林警職法事件:事実の概要

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    資料紹介

    全農林警職法事件 
    最高裁昭和48年4月25日大法廷判決 刑集27巻4号547頁 判時699号22頁
    【事実の概要】
     昭和33年10月8日、岸内閣は、当時行われた王子製紙争議や勤評反対デモ等に行きすぎがあることを考慮して、警察官職務執行法の改正案を衆議院に提出した。
     全農林労働組合(農林省職員で組織する労働組合)の役員である被告人らは、警察官職務執行法の改正に反対する統一行動の一環として、昭和33年10月30日の深夜から11月2日にかけ、傘下の同組合各県本部等にあてて、同組合員は所属長の承認がなくとも11月5日は正午出勤の行動に入ることという趣旨の指令を発し、また、同月5日午前9時頃から同11時40分頃までの間、農林省において、庁舎各入口に人垣を築いてピケットを張り、正面玄関の扉を旗竿等で縛りつけ、また裏玄関の内部に机、椅子等を積み重ねるなどした状況のもとに、同省職員約2500名を入庁させないようにしむけたうえ、農林省職員に対し職場大会に直ちに参加するよう反覆して説得し、勤務時間内二時間を目標として開催される右職場大会に参加するよう慫慂(しょうよう)した。そこで、被告人らは、国家公務員法98条5項(昭和40年法69号による改正前のもの)の禁止する違法な争議のあおり行為に該当するとして、同法110条1項17号違反で起訴された。
     第一審東京地裁昭和38年4月19日判決は、あおり行為を合憲的に限定解釈し被告人らを無罪にした。これに対して、第二審東京高裁昭和43年9月30日判決は、あおり行為等を一審判決のように限定せず、かつ本件争議行為を「政治スト」と解することによって、被告人らに有罪判決を言い渡した。そこで被告人らは、原判決が憲法28条、18条、21条、31条に違反するなどを理由として上告した。最高裁は、以下のような理由で上告を棄却した。

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    全農林警職法事件①
     全農林警職法事件 
    最高裁昭和48年4月25日大法廷判決 刑集27巻4号547頁 判時699号22頁
    【事実の概要】
     昭和33年10月8日、岸内閣は、当時行われた王子製紙争議や勤評反対デモ等に行きすぎがあることを考慮して、警察官職務執行法の改正案を衆議院に提出した。
     全農林労働組合(農林省職員で組織する労働組合)の役員である被告人らは、警察官職務執行法の改正に反対する統一行動の一環として、昭和33年10月30日の深夜から11月2日にかけ、傘下の同組合各県本部等にあてて、同組合員は所属長の承認がなくとも11月5日は正午出勤の行動に入ることという趣旨の指令を発し、また、同月5日午前9時頃から同11時40分頃までの間、農林省において、庁舎各入口に人垣を築いてピケットを張り、正面玄関の扉を旗竿等で縛りつけ、また裏玄関の内部に机、椅子等を積み重ねるなどした状況のもとに、同省職員約2500名を入庁させないようにしむけたうえ、農林省職員に対し職場大会に直ちに参加するよう反覆して説得し、勤務時間内二時間を目標として開催される右職場大会に参加するようした。そこで、被告人らは、国...

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