秦の天下統一の意義を述べよ。
本論文の構成
設題の留意点に沿って、春秋時代、戦国時代、秦の統一までを記述した上で、最後に秦の天下統一の意義を述べる。
春秋時代
周の東遷後、諸侯の力は強まり諸侯間の対立・抗争が激しくなっていった。春秋時代の有力諸侯はこれを防ぐ為に周王朝にかわる封建秩序を求めて覇者を立てて、列国の主導権を握った。それゆえ、覇者になるためにしのぎを削り、覇者となったのが斉の桓公、晋の文公、楚の荘王、呉王闔閭、越王句践がいわゆる春秋の五覇である。各国は富国強兵政策を採り、農業や商業が飛躍的に発展した。具体的には農業面で、それまでの木製道具に代わり、春秋時代には銅製農具が、戦国時代には鉄製農具が登場し、商業においては青銅の貨幣が登場したことがあげられる。
戦国時代
晋が韓・魏・趙の3つの国に分かれて以降、戦国時代の始まりとされ、周室は何の力もなく諸侯も王を称するようになる。周代の世襲的な身分制度は崩れ、個人の能力を重んずる実力本位の傾向がこの時代の特色となり、諸侯は実のある人材を求め生き残りをかけた熾烈な争いが繰り返された。しかし、商鞅を用いて二度にわたる改革によって国力を強め...