大津事件(おおつじけん)は、1891年5月11日にシベリア鉄道の極東地区起工式典に出席するため、
日本を訪問中のロシア帝国の皇太子ニコライが、滋賀県大津市で突然斬りかかられ負傷した、暗殺未遂事件である。
旧刑法116条は、日本の皇室に対して適用されるものであり、外国の皇族に対する犯罪は想定されておらず、法律上は一般人と全く同じ扱いにせざるを得なかった。つまり怪我をさせただけで死刑を宣告するのは法律上、不可能であった。時の大審院院長の児島惟謙は法治国家として法は遵守されなければならないとする立場から、「刑法に外国皇族に関する規定はない」として政府の圧力に反発し、「国家か法か」という回答困難な問題...