西洋法制史法
万民法の形成について
市民法・法務官法・万民法の関係から万民法の特徴を考察せよ
万民法形成の意義について、ローマの歴史と結びつけて論ぜよ
3 次にわたるポエニ戦争と 4 次にわたるマケドニア戦争に勝利したローマは地中海一帯を支配
する大国になった。そして、征服地をローマの属州とし、征服地の人々はローマ市民権を持たない
のために、法律的には無数の法律共同体が孤立に存在していたが、共通ギリシャ語を初めとする
統一的なヘレニズム文化が成立するに従って、共通性を持った取引法が発達していた。この国際
的取引は文化の交流と融合の過程で次第に実務から発達し、融通性と弾力性を持っていた。
一方で、属人主義と形式主義に固執するローマ古来の市民法は、外人関係の取引の安全を保
障することができなかった。というのは、当時の市民法では、ローマ市民権もなく、ローマ市民法の
法律行為のやり方を知らず、ラテン語も不自由な外人との法律行為はすべて無効になった。
時の経過とともにローマと地中海一帯の外国との交流はますます盛んになり、外国商人との取
引は増大し、地中海世界の政治、経済、文化の中心に
西洋法制史法
万民法の形成について
市民法・法務官法・万民法の関係から万民法の特徴を考察せよ
万民法形成の意義について、ローマの歴史と結びつけて論ぜよ
3 次にわたるポエニ戦争と 4 次にわたるマケドニア戦争に勝利したローマは地中海一帯を支配
する大国になった。そして、征服地をローマの属州とし、征服地の人々はローマ市民権を持たない
降伏外人として区別して扱っていた。元々、地中海地域は無数の国家と民族が存在し、属人主義
のために、法律的には無数の法律共同体が孤立に存在していたが、共通ギリシャ語を初めとする
統一的なヘレニズム文化が成立するに従って、共通性を持った取引法が発達していた。この国際
的取引は文化の交流と融合の過程で次第に実務から発達し、融通性と弾力性を持っていた。
一方で、属人主義と形式主義に固執するローマ古来の市民法は、外人関係の取引の安全を保
障することができなかった。というのは、当時の市民法では、ローマ市民権もなく、ローマ市民法の
法律行為のやり方を知らず、ラテン語も不自由な外人との法律行為はすべて無効になった。
時の経過とともにローマと地中海一帯の外国との交流はますます...