「個別援助技術(ケースワーク)の原則と進め方についてのべよ」
個別援助技術とは、ソーシャル・ワークのなかで「個人または家族」を対象とし、利用者の生活上の困難に対して、援助者の属する機関の機能を活用し、パーソナリティの発達と促進及びその能力に応じた生活を目標に利用者に働きかけ、問題を解決していく過程である。
リッチモンドは、ケースワークの過程を社会調査、社会診断、社会治療に分け、人と環境の関係に焦点を当て、利用者個人の抱えている問題とその原因を正しく把握・理解し、利用者と同時に生活環境に個別的に働きけることで問題解決を目指した。
リッチモンドの「社会診断」の流れを引き継ぎながら、フロイトの精神分析に強く影響を受けたのが「診断主義」である。利用者の問題を病的問題と見て、調査・診段・治療するのは援助者である、という医学モデルに依拠し、利用者のパーソナリティに着目した。
一方ランクの意思心理学を基礎とする「機能主義」は利用者自身が問題解決できる能力を本来的に有しているという前提に立ち、援助者は利用者が自身の属する機関の機能を活用し、利用者自身が問題解決する過程を援助するとした。長くこの二派の論...