第19回 課題レポート 「責任能力」
ケース
1.Aには酒乱の癖があり、これまでも酒を飲んで人に傷害を加えたことがあった。ある日、Aは自己の酒乱の癖を利用してXを殺害しようと計画して、一緒に酒を飲もうとXを誘い、高度の病的酩酊下でXを殺害した。
2.Aが途中で酔いつぶれて寝てしまい、Xがそのまま家に帰り、殺害には至らなかった。
1.2.それぞれにおけるAの罪責を論ぜよ。
ケース1については、Aが高度の病的酩酊状態で及んだ殺害行為に責任能力を認められるかが問題である。本来、高度の酩酊状態では、行為に対する責任が完全には認められず、殺人罪(刑法...