第21回 レポート課題 「違法性阻却事由の錯誤」
ケース
父親Xは、自分の息子Aが、不良学生Bらより「いじめ」を受けたと聞いて、学校側が十分な対策を講じない以上、実力でもって家族を守る権利があると考えた。そこで、学校内を監視していたところ、たまたま、Aの腕をつかんでいるBを発見したXは、息子Aが襲われたと誤信して持参した鉄パイプでBを殴り倒した結果、Bは全治1ヵ月の重傷を負った。しかし、実際には、不良仲間であるAとBが放課後の万引き場所を相談していただけであった。Xの罪責を論ぜよ。
XがBを鉄パイプで殴った行為について、刑法204条の傷害罪が成...