「臨床心理学における人間理解の必要性と面接場面における留意点について述べよ。」
1.はじめに 近年、競争社会・自由主義社会の弊害として、また、平成の大不況によって、過度のストレスを生じさせる社会となってしまった。 ストレスという言葉は、もともと機械工学の領域で用いられていたものである。外からの力をストレッサーと呼び、内からの反応をストレスと呼ぶ。さて、これらを私たちの生活に当てはめると、日常生活の中で生じてくる様々な問題や出来事、環境の変化といったものは全てストレッサーであり、そのストレッサーによって私たちの心や身体に起こってくる、歪んだ状態がストレスと言える。ストレスを減らして、心の病気・精神科疾患にならないようにすることは極めて困難である。病気にならないように予防するというよりも、心の病気になる可能性の高さを真摯に受け止め、病気になった時に速やかに対処することを第一に考える。いわゆる「リスクマネジメントとしての心のケア」が重要である。つまり、「早期発見、早期介入」の徹底が大切である。
2.人間理解の必要性
フロイトをはじめとする心理学者は、精神分析には相手の話にしっかりと耳を傾...