保護観察における処遇について論ぜよ。
犯罪者の処遇は、従来、施設内で行うのが原則とされていたが、釈放後の生活は社会内であることから、施設内処遇の弊害を考え、最近では、社会内処遇(施設外での処遇)が注目をひいている。保護観察とは、このように社会内で通常の社会生活を営ませながら犯罪者を助言・指導し、社会復帰への努力を援助する制度の一つと考える。更生保護法によれば、保護観察の対象は、保護観察処分少年(1号観察)、少年院仮退院者(2号観察)、仮釈放者(3号観察)、保護観察付執行猶予者(4号観察)とされる(更正保護法48条)。
また保護観察における処遇は、その対象となる者の改善更生を図るため、「保護観察官」と、法務大臣から委嘱を受けた民間篤志家である「保護司」が、一定の遵守事項を守らせるなどの指導監督を行い、必要な補導援護がなされる。つまり保護観察は、通常、1人の保護観察対象者を保護観察官と保護司が共に担当する協働態勢により実施されており、具体的には、保護観察官は、保護観察開始当初において、保護観察対象者との面接や関係記録等に基づき、処遇の目標や指導監督及び補導援護の方法等を定めた保護観察の...