子どもの「個人差」について

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     子どもの「個人差」について述べよ。
     「この世に似ている人は三人いる」というが、似ているとはその人ではないということである。
     この世に同じ人間は存在しない。一卵性双生児は遺伝子のレベルにおいて似ているというが、それでも自分たちの中でどちらがどちら(兄と弟)か、見極めがついている時点でそこに差がある。では、この個々人の持つ「差」とはどうやって生まれてくるのだろうか。
     設題における「個人差」とは、環境の違いなどから生まれる発達の違いによる知能・学力・性格・適性などの特性についての個人間の差異を指す。この発達とは辰見によれば「心理学的には『子どもが大人になる過程』であると考えられる。さらに具体的に述べれば『受精してから死に至るまでの心身の構造の変化の過程』ととらえることできる。」としている。発達を考える上での根底におかなければならない原理として、「連続性の原理」、「順序性の原理」、「急増の原理」、「個人差の原理」、「個体と環境との相互作用の原理」の五つがある。そしてまた、年齢に応じた発達の特徴を考えなければならない。
     では、発達していく上で個人差に影響を与えるのは遺伝と環境のどちらだ...

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