アメリカにおいて推し進められてきた「新自由主義」政策が「貧困大国」を生み出した事態について、災害、医療、教育、戦争という「人のいのち」にかかわる四つの領域のどれか一つの領域を選んで、その実態を詳しくつかみ、重要なことを整理してみよ。
経済大国アメリカ。世界の先進国の一つであり、建国以来すさまじい発展を遂げてきた大国の影にある民主主義国にあらざるべき経済格差。「新自由主義」という名の下に、国民に経済格差が広がり、中流層は貧困層へ、貧困層は最貧困層へ転落していく。そして、一度落ちると二度と這い上がれない螺旋的な構造。そして、その日を生きるためだけにあえぐ人たちを食い物にしている国と企業。そういう一部の人のみが特権的に富裕層になっている。
何故このような経済格差がおこり得たか。それは、災害・医療・教育・戦争という「人に命がかかわること」に欲望、つまりお金とか利益・不利益とか競争という人間の計算のうえに成り立つものを介入させてはならないものを、国が率先して参入させてしまったからである。理由は色々あるだろうが、国家の予算を削減し、その代わりのサービス分を民間企業に委託するというものなのである...