『原始仏教の思想的な特徴について、「縁起」「四諦」「煩悩」「覚り」といった用語を用いて説明しなさい』
Ⅰ.仏教の成立
このレポートでは、原始仏教の思想的な特徴について説明していくが、まずは原始仏教が成立していった背景について述べていくことにする。
そもそも、仏教の成立とは何をもっていうのであろうか。それは、仏教の開祖たる釈尊の誕生ではなく、また釈尊の成道をもっていうのでもない。それは、釈尊が成道後初めて法を説き、弟子を得たことをもっていうのである。なぜならば、仏教の成立とは仏・法・サンガ(僧侶の集団)の三宝がそろうことをいうのであり、弟子ができたことによって初めてこの三宝がそろったことになるからである。そして、釈尊滅後100年までの仏教を原始仏教と呼ぶ。釈尊の教えが弟子にそのまま伝えられ、仏教教団が釈尊を中心に、そして釈尊亡き後は直弟子を中心にまとまっていた時代である。この時代には、後の世のように、釈尊が人間を超越したスーパーマンとして崇められるのではなく、あくまでも人間であるブッダとして弟子達の尊敬を集めていた。
この、初期の時代の仏教が有していた教理は、当然仏教の根本思...