仏教学 第2設題

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『大乗仏教の思想的な特徴について、「菩薩」「六波羅蜜」「空」「利他行」といった用語を用いて説明しなさい』
Ⅰ.大乗仏教の成立

 このレポートでは、大乗仏教の思想的な特徴について説明していくが、まずはその前に、大乗仏教が釈尊在世当時の原始仏教時代から部派仏教時代を経て、どのような背景の下で成立していったのかについて述べていきたい。原始仏教・部派仏教、特に部派仏教の思想との対比によって、大乗仏教の思想的特徴がよりはっきりと見えてくると考えるからである。

 さて、釈尊滅後百年余りまでは、釈尊の直弟子が教団をまとめ、よくまとまっていた時代であった。しかし、百年を過ぎた頃から、主に戒律上の見解の相違から、仏教教団は、進歩的な大衆部と保守的な上座部とに分裂した。これを根本分裂という。その後も教団の分裂はすすみ、最終的にはおおよそ二十の部派が生じた。これを枝末分裂といい、この時代を部派仏教時代と呼ぶ。各部派は自分たちの思想内容を明らかにした、アビダルマと呼ばれる論蔵を所有し、この時代の僧たちは民衆の教化よりも、仏教の教義を深め、研究することに関心を持っていた。そのことにより、教義面では著しい発達...

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