老人福祉論

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     「老い」とは、年老いること。(広辞苑)とある。人間に限らず命あるものすべてに訪れて来るものでもある。人間であれば、艶々とした肌にはしわが出来てきて肌の張りは衰え、ぴんと張っていた背筋も次第に曲がり、視力は落ち聴力も衰えてくる。また、周囲の環境の変化にもついていけなくなり、自身の老いを感じていくといったものが多いようであり、生物学的にみれば衰退の意味が強いようである。一方では成熟や英知へ達するというような多義的な概念としても捉えられてもいる。いずれにしても「老い」の焦点は高齢期に当てられる傾向が強く、ネガティブなイメージが根付いていると言えよう。自身にとっての老いとは何かを考えた時にもどちらかというとネガティブなイメージが強く、外見の変化や内面的な意欲等の減退に老いを感じることが多い。老いそのものに「年をとる」といったイメージがある訳ではないのだが、やはり衰退・減退といったイメージが強いのも事実である。その中にあっても、客観的な老いと主観的な老いがある。客観的なものとしては、肉体的・精神的・社会的な変化が起こり、まさに加齢にともなって起こる現象そのものを老いとして感じる。そして主観的な...

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