『四つの四重奏曲』について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すこと。
『四つの四重奏曲』について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すこと。
『わが終わりにはわが始めあり、わが初めにはわが終わりあり』
『四つの四重奏』はその名の通り四重奏曲の構成をもつ四つの詩から出来ている。「バーント・ノートン」「イースト・コウカー」「ドライ・サルヴェイジス」「リトル・ギティング」の四つから構成されている。また、この詩はエリオットの人生の総決算と呼ばれる作品である。幾多の苦悩を乗り越え、信仰に救いを求めてきたエリオットであるからこそ、完成することが出来た作品であると言える。そして、四つの詩は、それぞれ順番通りに風、地、水、火を象徴している。また、四つ全ての詩の最初に、ヘラクレイトスの断章からの引用が題辞として用いられている。ヘラクレイトスの万物流転の思想をもとにすると、地→水→風→火への変化の過程が上昇への道であり、その逆は下降への道である。そしてこの二つの道は一つの物事の二面性となる。従ってヘラクレイトスは「上への道も下への道も同じ一つのものだ」と言っているのだ。しかし、エリオットは、このヘラクレイトスの論理的思考に宗教的思考を加え、上昇の道の先...