二十一世紀において学校教育、教師に求められているものはどのようなものか。教職員養成審議会であげられているものに「変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力」というものがある。その中でも、三つ目にあげられている「社会の変化に適応するための知識及び技能」が情報化社会を生きる上で必要となってくる資質であろう。
〈要約〉
二十世紀の工業化社会が一段落し、現在、物やエネルギーの生産とは別の資源として「情報」があふれ、物流に代わって有力な資源となっている。「情報」と一括りにしているが、その内容は、「データ」や「メッセージ」「コミュニケーション」「知識」と、少しの例でも様々なものがある。つまり、「情報」とは「人びとのために役立つ知識」と認識する事ができる。工業化社会とは違い、その「知識」が資源を生み、経済を発展させて行くのである。情報化社会の目指すところは、知識の活用によってより豊かな世界を築いて行こうという物である。情報化に必要不可欠となっているのが、「インターネット(IT)」である。インターネットは、これまでのコミュニケーション手段のすべてを併せ持ち、その機能性・拡張性は今までに類を見ない。ネット上ではすべての人びとが平等、公平に情報を享受する事ができ、また、発信する事ができる。そして、ITと教育をどう生かして行くかという事が課題となっている。文部省では、2001年度までに全国の小中高等学校など約四万校にコンピュータ教室を設置、インターネット接続を可能にすること、2002年度の指導要領では「情...