日本の地域福祉に影響を与えた海外の考え方について述べよ
1地域福祉の発展と海外の考え方
まず始めに、地域福祉の理念や概念の形成に影響を与えた海外の考え方についてその主な展開を整理していく。
第一にイギリスの慈善組織化運動(COS)が挙げられる。わが国ではその影響を受けて中央慈善協会が発足し活動を開始した。そして中央事業協会を経て、戦後に全国社会福祉協議会へと発展していくのである。第二にセツルメント運動が挙げられる。これは1884年にロンドンで最初のセツルメントとして、スラム街に設立された。その後、片山潜がイギリスに留学し、1897年に東京・神田三埼町にキングスレー館が創設されている。
第三にコミュニティ・オーガニゼーションが挙げられる。これは、必要な資源を内部・外部に求め、行動を起こす。そして地域社会が団結協力して、実行する態度を養い育てる過程とされている。そして社協活動に「住民主体」の用語を定着させ、統合を目指す組織化の方法も前進させた考え方である。
第四にコミュニティ・ケアが挙げられる。これは、本人のニーズに合わせて、ホームヘルプサービスなどの対人社会サービスをはじめと...