ケアマネジメントは、ケースマネジメントとして、歴史的にみると、1950年代アメリカで生まれたといわれている。この時期、アメリカでは精神障害者が地域で暮らすようになって適切な援助がないためにホームレスになったり、HIV感染者がふえたりとあった。必ずしも病院や施設より生活の質(QOL)が向上したとはいえないことが明らかになった。その反省のもと、コミュニティケアや支援の継続性を確保するために、サービスを調整する役割が重要視されるようになった。1960年代にはいり、要介護高齢者の在宅支援の仕組みとして、ケースマネジメントが応用されるようになった。その際の社会資源と結びつけることを「コーディネーション」ともよぶため、一部、コーディネーションやケース・コーディネーションともいわれた。その後、イギリスや多くの国でケースマネジメントが検討され、イギリスでは、全国的にケアマネジメントが導入されることになった。その際の法律となった1990年のコミュニティケア法に、ケースマネジメントではなく、ケアマネジメントという用語が使われた。その根拠はケースという言葉には冷たい響きがあるということも理由にあった。
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