我が国の総人口に対する過疎地域人口の割合をみると、過疎が顕在化し始めた昭和35年には、総人口9,430万人に対し過疎地域の人口は 1,368万人、14.5%であった。その後過疎地域の人口割合は低下し、最初の過疎法である緊急措置法が施行された昭和45年には10.0%、振興法が施行された昭和55年には7.9%、現行法の施行された平成2年には6.8%、平成7年には、全国1億2,557万人に対し過疎地域797万人、6.3%となっている。なお、人口将来推計に基づけば、今後も過疎地域の人口割合は低下し続けるものと考えられる。
~日本の過疎と過密の問題について~
(1) 過疎地域の人口の推移
(大都市圏への人口集中と過疎現象)
我が国においては、昭和30年代後半からの経済の高度成長に伴い、地方圏から三大都市圏への人口流出が激化し、大都市圏での過密現象と地方圏での過疎現象を生ずるに至った。しかし、昭和50年代においては、
経済面での地域間格差の縮小と地方圏における生活環境の相対的向上
国民の価値観の変化に伴う居住地選好の多様化
若年人口の減少、長男長女割合の増加
といった要因によって、三大都市圏の人口増加率が低下し、地方圏への人口定住が進展するなど明らかな変化がみられた。また、昭和60年に入ると大都市圏と地方圏の人口増加率の格差が再び拡大したが、平成2年と7年の間には、大都市圏の人口の増加率が低下し、地方圏でやや上昇している。
(都道府県別にみた人口減少の動向)
国勢調査時点ごとに前回の調査と比べ人口が減少した都道府県の数をみると、昭和40年には25、45年には20であったが、50年には5、55年には0となった。しかし、60年には1、平成2年には18、平成7年には13となっている。また、過疎地域の5年...