以下において、仲介業としての代理商・仲立人・取次業の特性を検討し、相互の類似点、相違点をまとめる。まず、それぞれの意義などについて述べる。
商人は営業活動を営む上で、単独でこれをすべて行うことは困難であり、さまざまな補助者の労力を利用せざるを得ない。そのさまざまな補助者の中には、商業使用人・代理商・仲立人・取次業などがある。
《代理商》
たとえば保険の代理店のように、一定の商人のために、継続的にその営業の部類に属する取引の代理または媒介をする独立の商人(商46)である。商人が広範な地域にわたって営業を行う場合にその地方の事情に通じた者を代理商として利用することが多い。支店または出張所を設ける不経済をなくし、それぞれの地方の特殊な事情を知っている者を随時利用できるところにこの制度の長所がある。保険代理商などはその典型であるといわれている。商人のために代理または媒介をする者でなければならないから、例えば、相互保険会社のために代理または媒介する者は商法上の代理商ではなく、これを民事代理商という。代理商には取引の代理をする締結代理商(代理権をもつ)と、媒介をする媒介代理商(代理権をもたない)がある。
《仲立人》
仲立営業とは他人間の商行為の媒介をすることを目的とする営業のことである。その営業の主体を仲立人としている(商543条)。商品・有価証券の売買、銀行の短期融通金の貸借、傭船契約、海上保険取引等にあって、適当な相手方をみいだし、相手方の信用を調査するためその土地の事情や市場の景況に通じ専門的知識を持っている仲立営業者を利用する。
《取次業》
取次に関する行為を営業とする商人のことである(商502条11号)。
商取引法
以下において、仲介業としての代理商・仲立人・取次業の特性を検討し、相互の類似点、相違点をまとめる。まず、それぞれの意義などについて述べる。
商人は営業活動を営む上で、単独でこれをすべて行うことは困難であり、さまざまな補助者の労力を利用せざるを得ない。そのさまざまな補助者の中には、商業使用人・代理商・仲立人・取次業などがある。
《代理商》
たとえば保険の代理店のように、一定の商人のために、継続的にその営業の部類に属する取引の代理または媒介をする独立の商人(商46)である。商人が広範な地域にわたって営業を行う場合にその地方の事情に通じた者を代理商として利用することが多い。支店または出張所を設ける不経済をなくし、それぞれの地方の特殊な事情を知っている者を随時利用できるところにこの制度の長所がある。保険代理商などはその典型であるといわれている。商人のために代理または媒介をする者でなければならないから、例えば、相互保険会社のために代理または媒介する者は商法上の代理商ではなく、これを民事代理商という。代理商には取引の代理をする締結代理商(代理権をもつ)と、媒介をする媒介代理商(代理権をも...