(1)目的
平凸レンズを平面ガラス板の上にのせると、接触した付近のレンズとガラスではさまれた空気の薄い層ができる。ガラス面に垂直に当たった光は、この薄い層の両側で反射され、それぞれの光線間の位相差による干渉によって、リング状の干渉じまを生じる。これをニュートンリングという。この現象を利用して、平凸レンズの曲率半径を測定する。
(2)理論
曲率半径Rの大きい平凸レンズを平行板ガラスの上にのせる。これに波長 の単色光を垂直に入射させたときのレンズ下面からの反射光と、下のガラス面からの反射光との干渉条件を求める。このとき、空気層はきわめて薄いと考えられるので入射角はほぼ平行と考えられる。そこからレンズとガラスの接点からガラス面上 の距離にあるガラス面をBと、また垂直の位置にあるレンズ面をAとし垂直距離 を求めると
≒ ≒ ・・・・・(1)
そしてレンズ下面Aで上に反射する光と、Bまできて上に反射する光の光路差は だが、Bでの反射の際の位相が逆転して波長がずれることも考えると、全光路差は 。この値が の奇数倍なら反射光は打ち消しあって暗くなり、偶数倍なら強め合って明るくなる。この実験の...