人にものを教えるということは、一体どのようなことなのであろうか。知識を与えることなのか、それとも精神的な何かを与えることなのか、はたまたもっと次元の違うことなのか。この、哲学的ともいえる命題に正面から向き合った9名の若者がいる。それが本書、『教師をめざす若者たち』の主人公である。この話は、この若者たちの中国における4日間の教育ボランティア活動と、その中で各自の中の教育に対する考え方の変化を纏めたものである。かれらは佛教大学の4年生で、全員が小学校の教員免許状取得を目的としており出身や年齢こそ異なるが、異国での教育活動を成功させることを共通の認識とし、わずか半年という短い準備期間でプロジェクトを見事成功に導いたのである。
「教える」とは何か
人にものを教えるということは、一体どのようなことなのであろうか。知識を与えることなのか、それとも精神的な何かを与えることなのか、はたまたもっと次元の違うことなのか。この、哲学的ともいえる命題に正面から向き合った9名の若者がいる。それが本書、『教師をめざす若者たち』の主人公である。この話は、この若者たちの中国における4日間の教育ボランティア活動と、その中で各自の中の教育に対する考え方の変化を纏めたものである。かれらは佛教大学の4年生で、全員が小学校の教員免許状取得を目的としており出身や年齢こそ異なるが、異国での教育活動を成功させることを共通の認識とし、わずか半年という短い準備期間でプロジェクトを見事成功に導いたのである。
彼らは、現地で行うプログラムの選定からプロジェクトを始めるわけだが、プログラムにはできるだけ生徒と共に活動できるものを選んでいった。外国で教育活動を行う場合、我々は自分の国の特徴的な側面や独特の文化を教材として用いがちであるが、彼らはたとえ文化の共通性を持つものを教材に使うとしても、そこから生徒と同じ体験をすることによって新たな繋がりが生まれると考え...