子供の教育に関しては従来より2つの考え方があった。すなわち性善説的な考えと性悪説的な考えである。このレポートでは、性善説と性悪説について説明し、それが教育方法に与える影響について論じる。 <性善説>
人間は生まれたときには基本的に「善なる存在」であり、他者との関わりを通じて次第に悪に染まっていくという説が性善説である。したがって、より善く生きるためには、なるべく社会の悪に染まらないようにするのが理想的であるとする。人間の最初の状態がすべて正当なものであり、現実にある悪は我々自身が作り出したものであるという。
<性善説的教育論>
ルソーは、「人間は自然本性的に善である」という原理に基づいた性善説的教育論を著書「エミール」で述べた。ルソーは、文明社会の伝統や教育が人間の本来的な姿をゆがめていると批判し、人の本性を自然の法則にしたがって発達させることを教育の理想とした。エミールの冒頭部分では、「創造主の手を出るときにはすべてが善であるのに、人間の手にかかるとすべてが悪くなる」と述べている。あるがままの自然の中で、子供が自分の力で世界を知るよう、教師は手助けを最小限にして、子供の可能性を伸...