『患者の権利の視点から、インフォームド・コンセントと事前指示(アドバンス・ディレクティブ)を解釈し、尊厳死について述べよ。』
・インフォームド・コンセント
医師が患者に対して、受ける治療内容の方法や意味・効果・危険性・その後の予想や治療にかかる費用などについて、十分にかつ解かりやすく説明を行い、その上で治療の同意を得ることをいう。
英語の本来の意味としては、「あらゆる」法的契約に適用されうる概念であるが、日本語でこの用語を用いる場合は医療行為に対して使用されることが多い。ここでの「合意」は、双方の意見の一致・コンセンサスという意味であり、必ずしも提案された治療方針を患者が受け入れるということを意味していない。
ここ10年ほど医療界を中心に盛んに言われていることであるが、この考え方には元々二つの来歴がある。
一つは医療過誤裁判で医師に説明義務があることを認めさせるための法廷戦術上の概念であったもの、もう一つは人体実験における被験者の同意とりつけの場での考え方である。
この場合は、事前に実験の目的や危険性などが十分説明され、被験者が自発的に同意するというものであった。
1970年代の...