ポスト福祉国家を念頭において、21世紀のわが国の教育行政システムを展望しなさい。
ポスト福祉国家を念頭において、21世紀のわが国の教育行政システムを展望しなさい。
教育財政とは、“国または地方公共団体が、教育目的を達成するために必要な財源を確保し、公教育費を支出配分し、および管理する、連続的かつ秩序的な活動の総体”(1)とされている。その基本理念は国民の「教育を受ける権利」をもとにして、その権利の財政的・経済的側面からの保障をめざすことになる。
日本国憲法第二六条第一項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定め、同条第二項は「義務教育は、これを無償とする」と規定している。“この資本主義社会のなかで子どもの保護者または親権者である国民の経済的諸条件に差異が存在することは事実である。(中略)この国民の間における経済的負担能力の差異は、子どもが教育階梯を登る途上において、その教育を受ける機会の獲得や修学に大きな影響をもたらせている。(2)”これに対して、“福祉国家は行政サービスを平準化し、国民に等しくその最低生活水準を保障するという理念をもっているため、(中略)中央集権型の財政調整機能が果たす役割はきわめて...