突き詰めれば人事

閲覧数1,117
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    世代と権力
     日本の銀行の経営風土と表裏一体の関係にあるのが人事だ。日本の銀行がバブルに突入していった背景を探るには銀行トップの系譜を見る必要がある。60年代のトップは圧倒的な存在感を放っていた。この第一世代の銀行トップには、確かな国家的使命感と気骨があった。昭和恐慌や変動相場制のリスクを経験した世代である。これに続く第二世代は「実力会長時代」の経営者である。終戦後の金融混乱時代を切り抜けた世代だ。この世代のトップは高度成長期に入った後も厳しい当局の規制の中で激しい競争を展開した。この第二世代が「実力会長」として残り、院政を敷いたころから日本の銀行界は危険な道に踏み込んでいった。80年代に入って彼らは量的拡大路線を推進した。そして「実力会長」の力が大きすぎ、第三世代の頭取たちは拡大路線を修正できなかった。日本の大銀行にとっては第二世代から第三世代へのバトンタッチの遅れが最大の経営失敗だったのかもしれない。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    突き詰めれば人事」要約
                    
     世代と権力
     日本の銀行の経営風土と表裏一体の関係にあるのが人事だ。日本の銀行がバブルに突入していった背景を探るには銀行トップの系譜を見る必要がある。60年代のトップは圧倒的な存在感を放っていた。この第一世代の銀行トップには、確かな国家的使命感と気骨があった。昭和恐慌や変動相場制のリスクを経験した世代である。これに続く第二世代は「実力会長時代」の経営者である。終戦後の金融混乱時代を切り抜けた世代だ。この世代のトップは高度成長期に入った後も厳しい当局の規制の中で激しい競争を展開した。この第二世代が「実力会長」として残り、院政を敷いたころ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。