J・M・ケインズの経済思想

閲覧数4,660
ダウンロード数35
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1. はじめに
     ケインズが行った仕事は、絶対王政を打倒したフランス革命のようなものというよりは、諸派入り乱れるなかでの16世紀宗教改革後のヨーロッパに台頭した反宗教改革のようなものだったといえると思う。ケインズの政策というと、現代の日本では、公共事業による財政政策の代名詞となっていてイメージはよくない。しかし、ケインズが一貫して格闘してきたのは、貨幣と金融の問題だった。物価変動がもたらす、名目値と実質値(賃金や利子など)の乖離が経済に悪影響を及ぼすことを理論的に説明した。
     第一次世界大戦の後、イギリスが金本位制に戻るべきかが問題になったとき、ケインズは戻るべきでないと主張したが、時の大蔵大臣ウィンストン・チャーチルはこれを受け入れなかった。ケインズにも迷いがあったが、旧平価による金本位制復帰が深甚なデフレ効果をもたらすところまでは見通していた。しかし、デフレがなぜ経済を長期に停滞させるかは分析していない。
     多くの挫折を味わったケインズが、その腕を発揮したのは、第二次世界大戦後、ブレトン・ウッズで開かれた、国際協調による管理通貨制度について議論が行われた国際会議であった。これがケインズの最後の闘いになった。アメリカが主導する戦後秩序形成の過程で、くずれゆく祖国イギリスの経済的地位を最大限に確保することと同時に、大戦間の経験を生かして、いかに第二次世界大戦後の世界経済を安定的な通貨秩序に向けて軟着陸させるかをめぐる闘いでもあった。
    2. ケインズ革命
     ケインズの一般理論は経済思想の文脈から別名ケインズ革命とも呼ばれる。ケインズ革命にはさまざまな意味が込められるが、その因果関係を辿れば「有効需要の原理」に集約できる。

    タグ

    レポートケインズ思想社会学

    代表キーワード

    社会学思想

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    J・M・ケインズの経済思想
    はじめに
     ケインズが行った仕事は、絶対王政を打倒したフランス革命のようなものというよりは、諸派入り乱れるなかでの16世紀宗教改革後のヨーロッパに台頭した反宗教改革のようなものだったといえると思う。ケインズの政策というと、現代の日本では、公共事業による財政政策の代名詞となっていてイメージはよくない。しかし、ケインズが一貫して格闘してきたのは、貨幣と金融の問題だった。物価変動がもたらす、名目値と実質値(賃金や利子など)の乖離が経済に悪影響を及ぼすことを理論的に説明した。
    第一次世界大戦の後、イギリスが金本位制に戻るべきかが問題になったとき、ケインズは戻るべきでないと主張したが、時の大蔵大臣ウィンストン・チャーチルはこれを受け入れなかった。ケインズにも迷いがあったが、旧平価による金本位制復帰が深甚なデフレ効果をもたらすところまでは見通していた。しかし、デフレがなぜ経済を長期に停滞させるかは分析していない。
    多くの挫折を味わったケインズが、その腕を発揮したのは、第二次世界大戦後、ブレトン・ウッズで開かれた、国際協調による管理通貨制度について議論が行われた国際会議...

    コメント1件

    honestman 購入
    10枚書くレポートの参考程度。
    2006/12/22 6:47 (17年10ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。